『スター・ウォーズ』(1977年:アメリカ)です。
日本では1978年に公開された、第1作目です。
今は、『スター・ウォーズ エピソード4 / 新たなる希望』(Star Wars: Episode IV – A New Hope)と
表記されることが当たり前になりましたが、公開当時は、ただの『スター・ウォーズ』です。
このシリーズは好き過ぎて、本気でブログを書き始めると、いつまで経っても書き終わらないので、
今日は、軽~くしか書きません!
と、自分に念を押しておかないと本当に書き終わらないのです。
さて、この『スター・ウォーズ』。タイトルに書いた通り、映画の歴史を変えてしまった大傑作です。
映画業界のビジネスの仕組みが、この作品を境に、大きく変化したのです。
『スター・ウォーズ』以前にも、SF映画、特撮映画はありました。
1927年にフリッツ・ラング監督が作り上げたサイレント映画『メトロポリス』は、痛烈な社会風刺で賛辞を受けました。
1956年のカラー/シネスコ作品『禁断の惑星』のロビー・ザ・ロボットは、不滅のアイコンになりました。
ストップモーション・アニメーションの巨匠、レイ・ハリーハウゼンによる傑作の数々は、世界中のキッズを魅了しました。
1968年の『バーバレラ』は、世界中にセクシーなインパクトを残しました。
でも所詮SFは映画業界の“傍流”。「所詮は子供だまし」というレッテルから脱することができませんでした。
『スター・ウォーズ』も、「宇宙で戦争? こんな子供だましな映画を作るのか?」と馬鹿にされながら制作されていたのです。
しかし、このシリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスは、信じる道を突き進み、
全世界の観衆の心をつかむ大ヒット……誰も想像しなかったほどの大ヒットを記録して、
馬鹿にしていた人たちを見返します。
さらに!
ジョージ・ルーカスの慧眼が、莫大な収益を生み出します。
そう、キャラクター マーチャンダイジングです。
ルーカスは、自身の脚本を20世紀フォックスに持ち込み、映画化する際に
監督費、脚本料、作品収益の40%と続編を作る権利のほかに、
出版権、サウンド・トラックの権利、マーチャンダイジングの権利を自分のものにしていたのです。
今なら、考えられない契約ですよ。
でも、(子供だましと言われた)SF映画のマーチャンダイジングが莫大なお金を生む!と証明したのは、
ジョージ・ルーカスが初めてなんです。
20世紀フォックスとしては、「大して売れないだろうし、アカデミー賞なんて獲るはずもないし、
それでこの若い監督が納得するなら、それでいいんじゃない?」としか思っていなかったでしょうね。
でも、『スター・ウォーズ』は、1978年の第50回アカデミー作品賞にノミネートされるほどの高評価。
キャラクターグッズも、世界中で売れに売れまくって、その後ハスブロー社から発売された
ブリスターパックのフィギュアなど、私たちも買い集めたものです。
つまり、ハリウッドならびに世界中の映画人が、まったく無視することができないどころか、
みんながあやかりたいようなビジネスモデルが、一気に出来上がってしまったわけです。
まぁ、それもこれも、作品が素晴らしかったからなんですよ!
ビジネスの話なんて、二の次でいいんです!
実際、ジョージ・ルーカスは、この成功をもって、
当初から「9部作」として構想していた(と言っても、すべて出来上がっていたわけではない)、
壮大なスター・ウォーズ サーガの実現に向けて、続編制作に着手するだけでなく、
特撮技術の向上へ、積極的に投資していくことになります。
それが、今も世界の映画作りを支えている、
特殊効果およびVFXの制作会社ILM(インダストリアル・ライト&マジック)です。
さらに言えば、今をときめくピクサー(これもディズニーに吸収されてますね)も
ILMのCGアニメ部門だったのですから、すごいものです。
ジョージ・ルーカスが、私たちスター・ウォーズ ファンから「創造主」と呼ばれるのも
納得できるというものでしょう?
さて、ここからが作品本編に関するお話です
私が、『スター・ウォーズ』を初めて観たのは、今はなき、新宿プラザという映画館。
小学一年生でした。
小さい頃の記憶があまりない私ですが、新聞広告を見て、
父親にせがんで連れて行ってもらったような記憶があります。
ちなみに、私が初めて覚えた英文は、オープニングのあの文言…
A long time ago in a galaxy far far away……
です。
そして、映画館で受けた初めての衝撃!!!!!
暗闇の中、スクリーンの上端から、ゆっくりと巨大な宇宙船(スター・デストロイヤー)が現れたのです!
私は思わず、自分の頭上を仰ぎ見たのをはっきり覚えています。
「とんでもなくデカい宇宙船が、本当に飛んできた!!!」と一瞬錯覚したのです。
だって39年前ですよ。CGなんてないんです。
『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』(1974年)とか映画館で見てましたが、
すんごいチャチかったんですよ、ハヌマーンというキャラが着ぐるみ丸出しで。
ハリーハウゼンの『シンドバットの冒険』シリーズもテレビで何度も見ていましたが
ストップモーション・アニメーションですからね。種類が違うんです。
だから、あんなすごい特撮を見たのは始めてだったんです。
驚きましたね。
一気に、スクリーンの中の宇宙空間に心を奪われました。
そして、真っ白い宇宙船の中で、誰もかれもが白っぽい服を着てレーザー銃を撃ち合う中、
現れたのが……そう、ダース・ベイダーです。
漆黒のあの姿が、白い画面の中に際立って浮かび上がるわけです。もう、インパクト十分!
そして、女性(レイア・オーガナ姫)が小さなロボット(R2-D2)に何かを詰め込んでいる!?
と思ったら、ダース・ベイダーに女性が捕まってしまう! なんだか分からないがピンチだ!!!
小さなロボットは金色のロボット(C-3PO)と合流して、脱出ポットで宇宙に逃げる!
生命反応がないから、敵も見逃してしまう! 脱出成功だ!
……しかし、そもそもこれは何だ、何なんだ! 帝国軍とか反乱軍とか言ってるけど、どうなるんだ!
そう思ったら、舞台は砂漠。
トコトコと歩くロボット2体。まだ、この時点で「ドロイド」なんて名称知りませんからね、私たち。
で、出てくるんですよ、「ジャワ」とか「タスケン・レイダー」とか。
「ジャワ」なんて、本物じゃないかと思いましたからね、6歳児だった私は。
そして、主役ルーク・スカイウォーカーの登場ですが……
最初は冴えないんですよねぇ。
農夫のおじさんに説教される、浮ついた若者。そんな感じ。そして、不味そうな青いミルク……。
しかし、R2-D2の脱走からオビ=ワン・ケノービとの出会いを経て、
物語は一気に動き始めます……と、あらすじを追い続けるとキリがないのですが、
本当に、グイグイと引き込まれるんです。
字幕上映なんですよ。
私は当時、小学一年生です。
それなのに、グイグイと物語が頭に入ってくるんです。
なぜだと思います?
わずか36時間でナバホ語に訳し終わるほど、少ないセリフ
『スター・ウォーズ』をまったく知らない人は、もうこの世界にはいないんじゃないかというほど
このシリーズは浸透しています。
その理由の一つとして挙げれられるのが、
「言葉は分からなくても、見ていれば分かる」という構成の妙が挙げられます。
事実、字幕の漢字をすべて読めないはずの、小学一年生の私も夢中になっていたのです。
『スター・ウォーズ』を、アメリカ先住民、ナバホ族の言語に翻訳して
ナバホ吹き替え版を上映するプロジェクトが過去にあったそうですが、
その時、翻訳チームの人たちは、わずか36時間で、『スター・ウォーズ』のセリフを
訳し終わってしまったそうです。
(出典:『スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか』クリス・テイラー著/児島修 訳)
それだけ、セリフが少ないんです。
実は、“見ているだけで分かる” サイレント映画の手法を十分に意識して、
作られているんですよ、この映画。
だから、ダース・ベイダーは、登場しただけで“悪役だ!” と、世界中の人が理解してしまうほど
分かりやすいビジュアルになっているんですね。
これは、本当にすごいと思います。
世界に影響を与え過ぎたゆえの弊害(?)も
まぁ、以来39年、この映画への私の愛情に変わりはないわけです。
そして、「私が小学一年生の時に味わった衝撃を、息子にも!」と意気込んでいたんですけど、
これは当てが外れてしまいましたね。
息子、全然、興奮してくれないんです。
でも、それも仕方ないんです。
なぜなら、彼は、“ILM の最新技術によって創り出された、スター・ウォーズの影響を随所に受けた作品” を
見慣れてしまっているんですから。
私が衝撃を受けた、「ダース・ベイダー」も「R2-D2」も「C-3PO」も「ライトセーバー」も
「スターデストロイヤー」も、どれもこれも、彼にとっては、
“知っているもの” あるいは、“どこかで見たようなもの” だったのです。
しかも、物心ついた頃から、最新CGを駆使した映画を見慣れているんですから、
オリジナルの『スター・ウォーズ』が古臭く見えてしまうのも仕方ないんです。
でも、残念だったなぁ。
息子が、この映画に夢中になってくれる姿を期待していたのに……。
それでも、息子もスター・ウォーズ サーガを愛しています。
一緒に、ライトセーバーでチャンバラもしました。
ジョージ・ルーカスが生み出したスター・ウォーズは永遠なのです。
……というところで、筆を置きます。
まだ言い足りないことが山盛りなのですが、ここまでにします。
次回は『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』について書くつもりです。
■作品メモ
ジェダイの騎士が姿を消してしまってから久しい時代。銀河系は帝国による圧政下にあった。そんな中、小さな反乱軍が、帝国が誇る最終兵器=要塞デス・スターの極秘設計図を盗み出す。銀河皇帝がもっとも信頼をおくダース・ベイダー卿は、秘密の設計図を奪還し、反乱軍の本拠地を探し出すよう命ぜられる。
(『スター・ウォーズ』特別編 DVD パッケージより引用)
映画史に残る記録的なヒット作。ILMのCG技術が発達したことを受けて、ジョージ・ルーカスが作品のブラッシュアップを敢行した「特別編」が1997年に公開された。
(オリジナル版:1977年制作、121分。 特別編:1997年制作、125分)
【監督・脚本】ジョージ・ルーカス
【制作】ゲーリー・カーツ
【音楽】ジョン・ウィリアムス
【キャスト】ルーク・スカイウォーカー/マーク・ハミル : ハン・ソロ/ハリソン・フォード : レイア・オーガナ/キャリー・フィッシャー : オビ=ワン・ケノービ/アレック・ギネス : R2-D2/ケニー・ベイカー : C-3PO/アンソニー・ダニエルズ : チューバッカ/ピーター・メイヒュー : ターキン提督/ピーター・カッシング ほか
■DVD、Blu-ray発売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン株式会社
■笑談快縁(株式会社プラップル)
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