こんにちは、株式会社プラップル コピーライターで
ソコキコ™オフィシャルトレーナーの佐藤秀治です。
今朝のラジオで、また興味深い話を聞きました。
それが、
栄和人氏の話!
今は、愛知県教育・スポーツ振興財団のスポーツ
アドバイザーを務める栄和人氏ですが、その前ま
では、日本レスリング協会強化本部長として、知
らない人はいないほどの有名人。
2018年は、日本スポーツ界に生じた大小さまざ
まな波乱の中でも、もっとも大きな話題だった
といえる女子レスリングのパワハラ問題によって
協会の役職を辞任するに至った、あの栄氏です。
偉大な実績を誇る、偉大な選手の一人である伊調
馨選手らに対し、日本レスリング協会女子強化委
員長、日本レスリング協会強化本部長の任にあっ
た栄和人監督が、パワハラをいていたというので
日本中が驚いたわけです。
私も驚きました。
実のところ、あまり信じてもいませんでした。
伊集院光は、ゲストコーナーの冒頭で、次のよう
に話しています。
伊集院:最終的には去年、第三者委員会が調査でパワハラはあったという話になり、もちろん栄さん、謝るところは謝り、謝罪をし…という流れになり。あん中で俺、自分自身のことで
栄: はい。
伊集院:一個だけ気になっていることがあって、正直なことを全部言うんで、怒った時はタックルしてもらっても、ここは構わないです。
栄: いいですか、タックルしても(笑)。伊集院:あのね、あのね、いろんなニュースで(いろんな話が)出てくる中で、僕はその、栄さんといろいろ会っていく中で、で、いろいろあの、選手たちにも取材してる中で、栄さんの性格、雑だから(苦笑)。ねぇ。雑だから「いろんな捉え方はできる」というの思ったの。
一方的に栄さんの味方でもなくて、敵でもなくて、「あ、モノゴトがこじれると、こういう捉え方をされても、おかしくないようなこともあるだろうし、僕の見ていないところで、こういうことがあったとしても」…あ、うーん、「あるのかな、ないのかな?」というぐらいだったんですけど、一個だけ、その時に、「伊集院、栄さんを庇い過ぎなんじゃないか?」と言われそうで言わなかったことがあって、それはすごい申し訳ないんですけど…。
栄:いやいや。伊集院:僕は、この番組でも、あと、名古屋でやらしてもらっているスポーツ番組でも、よく覚えていることが一個あって…。
まさにその、リオの直前に川井(梨紗子)選手にインタビューしたの。
栄:はい。
伊集院:川井選手、芯のまぁ強い人じゃないですか。まぁ僕が思うに、頑固っちゃぁ頑固な人じゃないですか。伊集院:川井選手がね、本当は階級が元々伊調選手と一緒で、「伊調選手に勝って自分はリオに出たい!」と言って聞かなかったと。
栄:はい。
伊集院:だけどもそこを、栄監督が一所懸命説得して、「そういうことじゃないんだよ。それはいずれ、そういう選手になって欲しいけれど、今の段階で、日本がメダルを沢山獲る可能性を考えたら、お前は階級を変えて頑張れ!」ってこと。
それをまぁその、僕はそれを川井選手から聞いた話では、川井選手は、かなり、それこそ、泣きわめきながら、「そうじゃない。私は伊調馨に勝って、58kg級で出て」じゃないと「意味がないんだ!」ってなっちゃってたのを、まぁ、説得されました…っていう話をしてました。TBSラジオ「伊集院光とらじおと」2019年2月5日放送より
栄 元監督は「性格が雑」!
貴重な証言です(笑)。
要するに、「細かいことは気にしない、熱血体
育会系」であるということなんでしょう。
だから、
モノゴトがこじれると、
こういう捉え方(パワハラと認定)を
されても、おかしくないようなことも
あるだろうし
と受け止められたわけですね。
この話を聞いて、非常にスッキリしました。
さらに、川井選手との調整の話からは、栄氏に
「伊調薫を妨害する意図」などサラサラなかっ
たことが分かります。
要するに、伊調薫を潰すためにパワハラがあった
なんて、眉唾な話。
マスコミやネットを賑わした論調のほとんどが、
外野の憶測に過ぎなかったわけです。
そもそものパワハラ問題を少し振り返ってみます。
wikipediaには、下記のように記されていますが、
2018年1月に、伊調馨の代理人により「栄監督からパワハラを受けた」と内閣府公益認定等委員会に告発状が提出され、3月に週刊誌がこれを報じた。
wikipedia
当時の記事を見ると、伊調馨はALSOK広報を通して
「告発状」については一切関わっていないとコメン
トしています。
つまり、本人が告発したわけではない。
栄氏と仲が悪かったとしても、本人が栄氏を貶めた
わけではないんですよね。
マスコミもネットも、大騒ぎでしたが、その中に
どれだけ確かな情報があったのか……?
今、改めて検索し直してみても、確かな情報があ
りませんでした。
栄氏と師弟関係にある吉田沙保里は、自身の引退
会見の際に、記者に質問をされて、以下のように
答えています。(太字筆者)
――吉田選手を語る上で栄和人元監督も外せない。引退を報告する際にどのようなことを言われましたか。
3歳から自分の父親に高校まで育てていただいて、大学に入ると同時に栄監督と出会いまして、ここまで世界で戦える、世界で活躍できる選手に育ててくれたのは栄監督だと思っています。情熱ある指導者で、自分の時間を割いてでも選手のことを考えてくれる指導者なので、感謝の気持ちでいっぱいです。ここまで育ててくれて今までありがとうございましたという強い思いがあります。引退を監督に言ったときは「そうか。ご苦労さん」という言葉をかけてくれたと同時に「俺が泣きそうだよ」と涙もろいところがあるので。ここまで育てていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。
(中略)
――今の女子レスリングがあるのは吉田沙保里選手のおかげだと思います。ですが、去年女子レスリング界が揺れました。どのようなお気持ちでしたか。
ここまで世界で活躍する選手に育ててくださった栄監督と共に戦ってきた仲間がああいう状況になってしまったことは本当にショックでした。真実ではない報道もあったかもしれませんが、そういった中でコメントをすることはすごく難しかったです。でも、こういうふうになってしまって、これからどうしていくのだろうという気持ちも強かったですし、若い後輩たちがそれに悩まされて思い切り練習できなかったり、試合で結果が出せなかったりという部分があったことが一番辛かったです。でも、もう次に向かって頑張っていくしかないと思うので、前を見て、東京オリンピックに向けて一つになって頑張っていかなければいけないかなと思っています。
AERA dot. 吉田沙保里引退会見【全文】 結婚、参院選出馬も「なし」伊調パワハラ問題は「辛かった」より
結局、この日の栄氏の話でハッキリしたのは、
コミュニケーションの難しさ。
厳しくした方が伝わる人もいれば、
ホメておだてないといけない人もいるでしょう。
同じ気持ちで、同じ言葉を投げかけても、相手
によって受け止め方は十人十色。
これ、学校でも会社でも、どこでも共通する問
題ですよね。
誰にとっても、他人事じゃない話です。
栄氏の場合、その「十人十色」の一色からの告
発に、国中総出で乗っかってしまった怖さがあ
りました。
ほかのニュースでも、同様の構造が頻繁に見受
けられるようにも感じています。
あまりにも、モノの見方が一面的。
そして、少ない情報で、誰かを性急に裁き過ぎ
ている気がします。
コミュニケーションとは「意思の疎通」。
互いに、敬意がなければ成り立ちません。
相手に対して、一方的に「何か」=優しい言葉や
分かりやすい言葉、自分をほめそやす言葉を期待
するのは、フェアではありません。
それは、コミュニケーションへの偏った期待です。
栄氏の周りには、選手との、確かな信頼関係
もありました。
ほかならぬ、吉田沙保里氏です。
番組では心温まる素敵な(笑える)エピソー
ドも紹介されていました。
伊集院:そんな中で僕が感じていたのは、何度も言ってごめんなさい、栄さんの(コミュニケーションの)下手さやちょっと雑なとこを緩和してたのは、吉田(沙保里)さんだったと思う。
栄:はい。伊集院:吉田さんって、そこがすごい。その、ちょっと自分たちが取材している時にも、たとえば、かなり厳しい言葉を栄…「監督」として言った時に、最終的に「話半分で聞いてればいいよ」って、ちょっと笑いを入れてくれたりとかするのは、本当にあの、現役であり、トップのお姉さんであるところの、僕は吉田沙保里だったと思うの。
栄:本当にそのぉ、僕がカッとなっていろいろと言うじゃないですか。そうするとそのぉ、やっぱり鹿児島訛りが…
伊集院:はは、「強い」しね。
栄:そうすると、選手が、吉田選手に「今何て言った?」って通訳してたかね。(中略)
伊集院:気ぃ回る人でしたよね。TBSラジオ「伊集院光とらじおと」2019年2月5日放送より
やっぱり、コミュニケーションが大事です。
対話は“気づき”の宝箱!
このキャッチフレーズを忘れずに、
今日も頑張っていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。