飛び交うヘリ。囲い込む報道陣。無神経な野次馬

お客様を動かす「共感作り」の専門家、佐藤秀治です。
今日は、仕事とはまったく関係のない話をします。

昨日、非常に気の滅入るニュースがありました。
登戸の事件です。

テレビでは、朝から晩まで映像が流れます。

捜査等に進展がなくても、延々と映像が流されて、
無責任なコメントも流れます。

報道のあり方について
悩んじゃいました。

だって、あんな凄惨な事件現場を、空撮や視聴者提供
映像などを使って、延々と写し続ける必要があります?

救急の人たちは、被害者をカメラから守るためにシー
トを使って、壁を作っています。

あれだけの人手を、余分に割いているんですよ。

メディアのカメラや、野次馬のスマホから守るために。

ちょっと見方を変えると、ワイドショーやニュース
番組が垂れ流している映像は、冒頭のイラストにあ
るように、現場に騒音をもたらすヘリコプターから
の映像であったり、野次馬がスマホで撮影した映像
であったりします。

悲しみに耐えて、献花しに来た人たちを、大勢の報
道陣が取り囲んで、延々と撮影し、コメントを求め
てマイクを向けていきます。

報道の人たちは言うでしょう。

「視聴者が見たがっている」
「国民には知る権利がある」
「こういう映像が視聴率を稼ぐ」
「他社と同じ映像を流せないと叱られる」
「だけどみんな、見てるじゃないか」

そりゃそうですよ。

マスメディアも、ビジネスです。

視聴率も必要だし、販売部数も必要です。

私たちも、驚くような映像があると見てしまいま
すよ。

でもこんな映像を、私たちは
本当に見たいんでしょうか?

確かに、驚くような事件があれば、詳細を知りたい
ですよ。でも、どうもテレビやネットを見ていると
「悲惨な映像を見せつけられている」としかいいよ
うのない状況もあります。

ネットには、憶測やコピペだけで成り立つコタツ記
事が雨後のタケノコのように乱立しています。

どれもこれも画像付き。

ましてフジテレビでは、「本当に十数秒で犯行が行
えたのか」を、事件現場で実証実験したとか……。

ハッキリ言って、愚の骨頂です。

メインキャスターの例の人は、「十数秒じゃできな
いと思った」
などと、どうでもいいことで、鬼の首
をとったようなコメントをしていたようですが、一
体それは何なの?????

ネットで知って腹が立ったので、リンクも貼りませ
ん。

だって、あの事件の被害者や関係者だって、テレビ
を見ているんですよ。

あなたの番組を見ている可能性はあるんですよ。

十数秒なのか、数十秒なのか、そんなことは、あな
たにとっても、私たち国民にとっても、まして当事
者である被害者の方々にとっても、

どーでもいいことなんですよ。

そんなどーでもいいことのために、人のトラウマを
無神経に掘り起こす…というか、昨日の今日で、早
速そんな無神経なことをする理由が分かりません。

視聴率が欲しかったんでしょうね。

ほかのワイドショーとの差別化が欲しかったんで
しょうね。

でも、視聴者をバカにし過ぎないで欲しい。

令和の時代。
日本人は、礼節を取り戻す必要が
あるんじゃないかと、思った次第です。

今日は、業務関連のリンクを貼らずに筆を置きます。
おやすみなさい。