昨日の続きで、
「どうやったら、『思い込み』を排除して、
人の話を聞くことができるのか?」
ということについて、少し書きたいと思います。
「思い込みを排除する」ということは、
まっさらな気持ちで、相手の話を聞くということです。
昨日のエントリーに記した「思い込み」は
非常に極端で悪質な例です。
しかし、あそこまで酷くはなくても、
同じようなことは、そこかしこで
起きています。
人は往々にして、他人の話を聞きながら、
相手の「考え」や「感情」を理解する努力よりも、
自分の頭の中にある「知識」や「感情」を
優先してしまうものです。
だから、
「人の話を聞いているようで、全然聞いていない」
という状況が生まれるのです。
「え? そんなこと、一度もないよ!」
と思う方もいらっしゃいますよね。
でも、違うんです。
聞いているようで聞いていないことなんて、
ごく普通にあるんです。
誰もが、体験していることなんです。
大抵の場合、人は「人の話」を理解する前に
「自分の知っている話」で理解を止めちゃうんです。
「相手の話」を「自分の話」で塗り替えちゃうんです。
自分の知っていることとは、どこか違う話をしてくれて
いる時でも、「ああ、あの話か」と、勝手に理解した
気になってしまうものなんです。
そして、きちんとした質問の代わりに、
「今話しているXXXは、〇〇のことだよね?
私も、良く知っているよ。あれって△△なんだよね」と、
自分の知っていることと同じかどうかの確認を
してしまいがちなんです。
分かりにくく感じるかもしれませんが、
実に単純な話なんです。
言葉って難しいものですから、お互いが脳裏に描いている
イメージの「違い」というものが、どれだけあるのかなんて
とんとん拍子に進む会話の中では、置き去りにされてしまう
ものなんです。
恋人や友人の話を、ちゃんと聞いて理解していたつもりで
微妙なすれ違いが顕在化して、失敗したことってありません?
ラブコメ漫画ではよくあるシチュエーションですが、
「アレが欲しい」と言われて、
その「アレ」が示す事柄を、自分の都合のいいように
解釈して、勝手にドキマギしちゃうことって、ありません?
簡単に言えば、そういうことなんです。
ちゃんと聞いていなくても、平気な理由
改めて、考えてみてください。
たとえば、仕事の打ち合わせ。
長々と話し合った後で、誰かが作った議事録を読んで
「何かが微妙に違う」と感じたことありませんか?
誰が議事録を書くかによって、微妙に内容が
異なるはずです。
それは、各人の理解が異なっている証拠です。
普段から一緒に仕事をしているチームで
打ち合わせをしていると、話のズレ、認識のズレは
ほとんど感じないかもしれません。
ところが、外部の「協力会社」や「クライアント」
とのミーティングでは、社内のチーム間で行う
話し合いよりも、理解のズレが顕在化しやすくなります。
議事録を読んだ時の違和感も、より大きいと思います。
その理由は明確です。
だって、チームメンバーが知っていることは、
みんなで取り組んでいる仕事の内容ですから、
同じことを知っている同士で、
「互いの知っていること」を突き合わせることが
できるからなんです。
互いに知っていること、
互いに考えているであろうことが、
近しいから、コミュニケーションに齟齬が
生じにくいんです。
だから、「聞いているようで、聞いていない」
ということが起きていても、気付きません。
仲間が、自分の「知らないこと」を話す時の関心の持ち方
でも、チームのみんなで
「新しいアイデアを出し合おう!
新しいものを作ろう!」という時には、
各人の中にある “新しい発想”
“新しいイメージ” を、具体的に共有するのが
難しくて、対話も盛り上がるはずです。
発表している人は、うまく説明するために、
一生懸命言葉を駆使して、時には、
ノートやホワイトボードに絵を描くことも
あるでしょう。
そして、聞く側のメンバーはみな、
「大切なアイデアを聞き洩らすまい!」と
思って、目を皿のようにして、
アイデアを発表しているメンバーを見つめている
ことでしょう。
みんなが、ワクワクしながら、相手の話に集中する。
……これなんですよ!
相手の話をまっさらな気持ちで聞く、というのは
こういうことなんですよ。
自分の目の前にいる人は、
自分とは違う知識と経験と考え方を持って
この世の中を生きている。
だから、相手が話そうとしていることは、
自分の知っていることとは違うかもしれない!
という、ごくごく当たり前の事実に立ち返ることが
重要なんです。
相手が、何を話してくれるんだろう! という
期待感を持って、
あなたが、話してくれることを、聞きたいんだ!
という関心を最大限に示して相対すること。
新しいアイデアを発表する人は、きっと
あなたが思いつかなかったことを、言葉にして
伝えてくれるはずなんです。
ワクワクしますよね!?
早く聞きたい!
もっと聞きたい!
ちゃんと聞きたい!
って思いますよね?
その姿勢が、ヒアリングの一番のポイントなんです。
相手は、自分とは違う考えを持った存在である。
この当たり前の事実を、きちんと意識して、
相手の人に対して、「興味」と「関心」を示し、
「敬意」を持って互いを「尊重」する姿勢が
“聞く力” を伸ばすために一番重要なことなんです。
さぁ、「聞くための心構え」は、これで大分
お話出来たと思います。
次は、「聞くためのテクニック」の話に移っていきたい
と思います。
もっとも、「心構え」についても、話はまだ序の口。
これからゆっくり書いていきます。
……と、結構長くなってしまいましたので、
続きは、また次回。
お読みいただきありがとうございました。
一日一回、下記のボタンをワンクリックお願いいたします↓
リクエストがごさいましたら、
お気軽にメッセージください。
お問い合わせはこちらへ。
今日も新しい気づきに感謝です。