今日もまた、昨日の続きです。
今日は、「聞くためのテクニック」のお話です。
「テクニック」といっても、小手先の技ではありません。
これまで20年以上、ひたすらに、偉い人から普通の人、
格闘家にゲームクリエイター、医者に教育者に
民間企業、医療機関、教育機関、研究機関、自治体
中央省庁など、さまざまな場所でインタビューを
行ってきた中で積み重ねてきた、使える技術です。
ドラマやマンガの、都合のいい説明ゼリフに「さよなら」を
ビジネスの基本、情報伝達の基本として
「5W1H」
という言葉を、聞いたことがあるかと思います。
5つの「W」
Why = なぜ
What = 何を
Who = 誰が
When = いつ
Where = どこで
そして、1つの「H」
HOW = どうやって
(HOW MUCH = いくら)
(HOW MANY = いくつ)
この5W1Hが揃っていないと、あなたの説明は、
相手に正確には届きません。
たとえば、↓ こういうことです。
「私(Who)は、昨晩(When)お腹が空いたので(Why)、
冷蔵庫(Where)にあった肉まん(What)を
電子レンジで温めて(How)食べてしまった」
これで、5W1H がすべて揃った発言になります。
ドラマやマンガの登場人物たちは、
こうした「情報」を、丁寧に伝えてくれる、
いわゆる「説明ゼリフ」を、当たり前のように
話してくれます。
あるいは、ほかの登場人物の問いかけに、
流れるように、答えてくれます。
ライトノベルなどでは、
まるで、全員がニュータイプであるかのごとくに
かみ合った説明的な会話が、延々と続いたりします。
彼らのセリフには、5W1Hが丁寧に仕込まれています。
セリフに情報が欠けていて、
登場人物の間にすれ違いが生じる時は、
「うまくすれ違える」ように、
セリフ内の情報がコントロールされています。
これが、モノを書く人の技術です。
しかし、生身の人間は、そんなにうまく
話しません。
あなたが、何かを話すとき、
5W1H をすべて丁寧に盛り込めていますか?
そんなこと、面倒くさくてしませんよね?
私もしません。
いや、とっさの会話では、
こんなに丁寧に情報を盛り込むことはできません。
「そういえば、昨日、お腹空いたから、
アレ食べちゃった」
といった具合で十分……ですよね。
しかし、↑このセリフ↑を聞いたあなたには、
私が「何を食べたのか」が、分かりません。
自然と↓のような会話↓の流れになるでしょう。
私「そういえば、昨日、お腹空いたから、
アレ食べちゃった」
あなた「食べちゃったって、何を?」
私「肉まん」
あなた「コンビニで買ってきたの?」
私「違う違う。冷蔵庫にあったやつ」
あなた「え、食べちゃったの?
今日の朝食にしようと思ってたのに!」
どうです?
5W1H の中の「欠けている情報」を、そのまま
質問するだけで、会話が流れていきますよね。
これが、「質問力」の基本中の基本なんです。
「優れた質問」とは、相手が「言葉にしたがっている何か」を、一緒に探すこと
基本があれば、上級編も、当然あります。
それが、
相手が話したがっていることを、話してもらう技術。
言い換えれば、
「相手が、何を話したがっているか?を聞き当てる」
ということになりますが、
そんな事言われたって、難しいですよね。
今開発中のTangible communication card™『ソコキコ™』の
テストプレイに協力してくれた、講師仲間の石津の姐さんも
こう言っていました。↓
「相手が話したがっていることを質問するなんて
私には難し過ぎるぅっ」と。
石津さんの言う通り、
「相手が何を話したがっているか?」を、
想像で言い当てることはできません!
私たちは、エスパーでも、マジシャンでも、
メンタリストでもないのですから、当然です。
ならば、どうしたらいいのか?
- 相手の話に欠けている5W1Hを、質問する
- 相手の仕草、言葉の強弱にまで注意して話を聞く
- 何かを話している時の相手の仕草や言葉遣いなどに、気になるところがあったら素直に質問してみる
たったこれだけのことなんです。
たとえば、↓こんな感じ↓です。
「あの肉まんが、朝ご飯だったんだ……」
A男は、少し声を落として答えた。
「何? 何でそんな暗い声してるの?」
B子は、意外そうな表情で言葉を返した。
「うーん」
「何よ? 言いたいことがあったら言いなさいよ」
「……だってあれ、美味しくなかったんだよね」
「あーヒドイ! そもそも『食べてしまった』って
いう言い方もヒドくない?」
「だって、夜中に食べると太るじゃん」
……まぁ、例文としてはあまり適切じゃないかも
しれませんが、ご容赦くださいw
このお話の中で B子は、A男の言葉や表情から目を
そらさずに会話していたからこそ、
A男の、わがままな本音を聞きだせています。
そして、B子の質問には、「ヒネリ」がありません。
そうなんです。
上手に質問するコツの中には、
「言葉をヒネリすぎない」ということも
含まれるのです。
もう少し続けてみましょう。
B子が詮索好きなキャラだったら、
会話は ↓こんな風↓ に変わるかも知れません。
「あの肉まんが、朝ご飯だったんだ……」
A男は、少し声を落として答えた。
「あら、お腹空いて元気ないんでしょ?
自業自得よ」
「まぁ、それはそうなんだけどさぁ…」
「それとも、出勤するのが嫌で元気ないわけ?」
「そんなことないよ」
「どうだかっ。この間もビール飲みながら、
『転職した~~い』って、言ってたじゃない」
「そんなんじゃないって」
ま、これはこれで仲睦まじい会話ですがw
しかし、A男は、言いたいこと = 肉まんが不味かった
という事実を口にすることなく、出勤前の会話が
終了してしまいました。
なので、先ほどの項目に、1つ付け加えたいと
思います。
- 相手の話に欠けている5W1Hを、質問する
- 相手の仕草、言葉の強弱にまで注意して話を聞く
- 何かを話している時の相手の仕草や、言葉遣いなどに、気になるところがあったら、素直に質問してみる
- 自分が推理した答えを、相手に無理やり押し付けない
どうです? 簡単そうでしょう?
そう、とある条件さえ満たすことができれば、
その後は、非常に簡単なんです。
その条件とは何か!?
今日も長くなってしまいましたので、
この続きは、また明日……。
お読みいただきありがとうございました。
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今日も、新しい気づきに感謝です。