今日は、「聞く」という行為から、ほんの少し
視野を広げて、「聞く力・伝える力」の両方に
触れていきたいと思います。
正しいリアクション
昨日のエントリーで、下記のように書きました。
相手のボール(話)を受け取ったら、
ボール(質問)を返してあげなければ、
コミュニケーションは進まないのです。
この文言を一部変更して下記のようにしたいと思います。
相手のボール(話)を受け取ったら
↓
相手のボール(考え、気持ち)を受け取ったら、ボール(質問)を返してあげなければ、
↓
ボール(正しい反応)を返してあげなければ、
昨日は、話を分かりやすく絞るために「質問」としていた
個所を、「正しい反応(リアクション)」に変更したことには、
もちろん意味があります。
「質問」もリアクションですし、
うなづいたり、笑顔を返したり、
分からないと首を振ったり、
オウム返しに確認のための言葉を返したり、
相手の話に対するリアクションには、
いくつものバリエーションがあります。
少なくとも、
身じろぎ見せず、まばたきもせず、
質問もしてくれないような相手にいくら話しても
まったく面白くないことは、分かっていただけると
思います。
話をしっかりと聞いた上で、
正しいリアクションを返してあげること。
これがコミュニケーションの基本であることは
昨日書いた通りです。
で、「正しい」か「正しくない」かを、どう判断するべきか?
相手が話している内容は、「その人の考え」であり
「その人が感じた(感じている)こと」です。
話を聞いている、あなた自身が考えたことでも
感じたことでもありません。
自分と相手の存在を客観的に捉えることが重要です。
たとえば、↓ 下記は「悪い例」です。
- 自分の考えを押し付けて、異なる考えを受け入れない。
- 相手の話と、自分の話を混同して共感する。
この例はどちらも、相手と自分を、混同しています。
「1」は、相手が自分と違うことが受け入れられない状況です。
“私と同じであるべきだ” という傲慢が勝ってしまっています。
「2」は、相手と自分の違いを無視して同化している状態です。
“分かるわぁ!” と言いながら、自分の気持ちばかり押し付けて
くる人は、このタイプです。
どちらも、非常に同調圧力が強いです。
これは、“実り多きコミュニケーション” を阻害する要因に
なります。
これは、「話す人」にも、「聞く人」にも言えることです。
「話す人」が、自分の考え以外受け付けない対話も、
「聞く人」が、自分の気持ち以外受け入れない対話も、
「話していて楽しかった! いろんな気づきが得られた!」
とは、なりませんよね。
だから、自分にも相手にも「尊厳」が大事なんです。
相手を敬いましょう。敬意を払いましょう。
そして、自分のことも大切にしましょう。
お互い大切な存在同士、違う考えや気持ちを交感するから
コミュニケーションの実りを大きくできるんです。
昨日のエントリーの最後にも書きましたが、
「相手は自分とは違う存在である」という当たり前の
事実を冷静に踏まえて、客観的に相手を見て共感する
ことが重要なんです。
大切な事は、「自己肯定感」と「自己効力感」
自分とは異なる、他人の考えを、冷静に受け止めて考察する
ことは、簡単なようで難しいものです。
ついつい、自分の考えや、気持ちと正面からぶつけあって
相殺してしまいがちです。
「理解できない」
「分からない」
「興味が持てない」
と、捨て去ってしまいがちです。
でも、こうした反応が起きる根本には、
自分への自信のなさや
相手への羨望・嫉妬があると思うんです。
私も、「ああ、この人と自分を比べても負けている
ようには思わないのに、こんなに成功して羨ましいな。
うまくやってるんだろうな」なんてことを
思ってしまうと、その人の話を素直に聞けなくなります。
……え?
皆さんには、そんな経験はないですか?
まぁいいです。
こんな風にして人の話を聞けない人のことを
「器が小さい」と言います。
私は、妻に、よくそう言って怒られてます(苦笑)。
で、この2~3年の間に、特に強く実感してきたのは、
「自己肯定感」の高低が、器の大きさに影響するという
ことです。
だって、自分に自信がないと、
どうしても卑屈になりますよ。
素直になれませんよ。
自分より劣ってそうな相手には
余裕を持って対峙できるのに、
自分より優れていそうな相手には、
気おくれした状態でしか対峙できません。
対等な感じで、対話することができません、
そして、“自分はやればできる!” という
「自己効力感」も重要です。
だって、“やればできる” と思っていなければ
貴重な教えを学んでも、「自分には関係ない」と
スルーしてしまいますからね。
「いやー、それが出来るのは、あなたが優秀だから
でしょう? 私には、とてもじゃないけどできません」
という態度でいたら、せっかくの学びも無駄に
なってしまいます。
それは、友人・知人との何気ない会話でも同じです。
どれだけ、言葉を交わして、気持ちを交感しても、
「いいなぁ」
「うらやましいなぁ」
としか思わなかったら、前に進めません。
そういうことを、かなり強く実感するようになって
きました。
そもそも私、自分に自信のない人間でしたから。
次回は、その辺の話から、続けていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
また次回もお付き合いいただけますと幸いです。
今日も新しい気づきに感謝です。