昨日たまたま、『世界でバカにされる日本人
-今すぐ知っておきたい本当のこと-』 (ワ
ニブックスPLUS新書)という本の書評を読ん
で興味がわいたので、図書館で、著者であ
る谷本真由美氏の著作を検索して、予約し
た本のうち、最初に確保連絡が届いたのが、
冒頭に掲げた写真の、
『キャリアポルノは人生の無駄だ』(朝日
新聞出版)という2013年発売の新書。
『キャリアポルノ』って何だろう?
と思って読んで見ましたが、
キャリアポルノ = 自己啓発本のこと
なんですね。
本書のまえがきには、自己啓発本とは下記の
ようなタイトルの本を指す、とあります。
「1ヶ月で1億円稼ぐ方法」
「3分間で自分を変える方法」
「絶対に成功するマネージャーになる方法」
「自分を魅力的に見せる法則」
「相手を思うように操るテクニック」
「3日で身につけるハーバード式思考術」
「5日間でマスターするMBA」谷本真由美 著『キャリアポルノは人生の無駄だ』(朝日新聞出版)9ページより抜粋引用
あるある、って感じです。
こういうタイトルにしないと売れない、と
いうこともあるんでしょうね。
私もセミナーのタイトルつける時に、
こういう本が売れている状況、
そういうセミナーが人気を集めている状況を
参考にして、ちょっと恥ずかし目のタイトル
をつけました。
対話は「聞く」が7割! 『聞く力・
質問する力』を伸ばすワークショップ
とかですね。
その話は、いったん横におくとして、
「3年で身につけるハーバード式思考術」
では、まぁまぁ当り前に感じますからね。
「3日」で身につく方が、手軽でいいんで
しょう。
でも、3年学んでも、何も身につかない人
だっているわけです。言い方を変えると、
人の適正によって「効果的に身につく学び」
と、「身につかない学び」というのが分か
れるものです。
「1億円稼ぐ」なんて、一生叶わない人の
方が多いわけです。
正直、私がこの手の本に出会っても、
「そんなの読んだだけで稼げるくらいなら、
今頃億万長者だらけでしょ!? そもそも
この本、誰が書いているの? 誰この人?
ホントにそんなに稼いでるの?」
と、訝しんで終わりです。
こうした本を目にした時に生じるのは、
「どうでもいいや」という気持ちと、
「こんな本で儲かってるんだよな」という
ちょっとした妬みだけです(笑)。
ほとんど、読んだことないです。
読んでも、つまみ食いならぬ、
つまみ読みがせいぜい。
谷本真由美氏の舌鋒は鋭く、攻撃的です。
さらに、表紙には「絶対」「人生」「成功」「勝者」「金持ち」「力」など、私的にはシラフだったら絶対に口に出せないような赤面系キーワードがちりばめられています。(中略)
自己啓発書はそもそも字を読むのが嫌いで努力も嫌いな人向けなので、難しい字や言葉は使っていません。そもそも「一分間」で大金持ちになりたい人が読む本なので、辞書で調べないと意味がわからないような言い回しや言葉は使っていないのです。言語レベルはだいたい中堅の高校に通る高校生ぐらいのレベルです。
(中略)しかし、楽にさっさと読めて金持ちになれる、ピンポイント列挙が多い、それこそが自己啓発書の神髄なのです。谷本真由美 著『キャリアポルノは人生の無駄だ』(朝日新聞出版)28~30ページより抜粋引用
非常に速いテンポで攻撃を重ねているので
自己啓発本が好きな方、あるいは著者は
いい気はしないでしょう。
でも、重要なのは第1章に締めくくり近く
にある下記の一文です。
自己啓発書の読者は、遊びではなく、勉強のための本を買う意識の高いビジネスマン、という自己イメージをもっているかもしれません。しかし、自己啓発書が何十万部も売れているのにもかかわらず、なぜこんなに日本は不景気なままなのでしょうか。分別のある大人であれば持って当然の疑問のはずです。広告の文言に心を躍らせている時点で、自己啓発書の読者は何かの信者のようなものになっているのです。
谷本真由美 著『キャリアポルノは人生の無駄だ』(朝日新聞出版)54ページより抜粋引用
まったくもって、その通りです。
でも、この本が面白いのは第2章以降です。
ここから、落ち着いた語りで、キャリアポルノ
の害について、豊富な事例を交えて語られます。
とても面白いです。
10分や2時間そこらで、人生は変わりません
と、ここで自分のセミナーに話を戻しますと
私がセミナーを初めて見たのは、
“やってみないと分からないから”でした。
3年ぐらい前に年間通じての、とある勉強会
に通ったのを皮切りに、わずかながら、セ
ミナー的なものを聴講したりするようにな
りまして、結論から言うと、目からウロコ
が落ちるようなことがなかったんですね。
大概は、知っていることの再確認で終わり。
かと言って、自分が人前で何かを教えよう
なんて、1mmたりとも考えませんでした。
それが変わり始めたのは、2016年半ば。
最初に考えたのは、ライター志望の人に、
自分が積み重ねてきた技術を教えたら
役に立つかな、と。
そのためにも、何より自分のためにも、
自分の積み重ねてきた技術を整理してみ
ようと、思ったのが始まりです。
そこで最初に伝えたかったのが「聞く力」、
つまりヒアリングのテクニックです。
これ、いろんな場面で役に立ちます。
しかし、多忙に流されて2016年は過ぎ、
ようやくタイミングが回ってきたのが
2017年秋。
話す内容も、まとまりました。
でも、内容が「簡単」じゃなかったん
ですよねぇ。
相当簡単にしたつもりだったんですが、
「学びの質」を考えると、あまり単純な
内容にもできず、悩みました。
「セミナー講師」を育ていることを生
業にしている人などは、
“10分間で人生を変える”
なんてこと言うんですよねぇ。
“10分間で再現性のある学びを
提供しなさい”って言うんですよねぇ。
でも、それは無理。
正直、「バカ言ってんじゃないよ」と
思いました。ごめんなさいね。
でも、10分間で教えられて、再現性の
あるヒアリング テクニックなんて、
まぁ実際のところ「子どものおもちゃ」
程度の学びにしかなりませんよ。
ヒアリングの実際は、対面する相手に
よって、細かく異なりますし、シンプ
ルにして、奥が深いものなんです。
「魔法のほにゃらら」「誰でも使えるほ
にゃらら」なんてキーワードを与えて、
「分かったような気にさせる」、ダマす
ような教え方をする気はありませんでした。
そんな、人を小馬鹿にするようなこと
だけは、絶対にしたくなかったんです。
でも、変わるキッカケには充分な時間です
でも、10分あるいは2時間という短い時
間で、「その後に続く、気づき」を
得ていただくことは可能です。
ただ、それだけじゃ、つまらない…。
やっぱり、来ていただいた方には、
もっと大きな手応えを持ち帰って
いただいた方が、私としても
うれしいものです。
何度か人前に立たせていただくと、
それなりに見えてくるものがある
んだなぁと、実感しました。
とにかく、もっと喜んでいただきた
い。そうやって考え続けて、ようや
く辿り着いたのが、
Tangible Communication Card™「ソコキコ™」
カードゲーム形式の教材です。
ルールは非常にシンプル。
非常に無口な方でも、コミュニ
ケーションのハードルが非常に低く
なります。
大事なことは、これを繰り返し、
遊んでいただくこと。
というか、ここで使用するカード
を、頭の中に置いて、いつでも
使えるようになると、かなり変わ
ると思います。
突然ですが、来週24日の日中に、
体験いただく機会を設けてみました。
↓こちらのワークショップです。
対話は「聞く」が7割!
『聞く力・質問する力』を伸ばすワーク
ショップ
日程は、また増やしていきます。
ぜひ、お気軽にご参加ください。
皆様にお会いできるのを楽しみにしております。