お客様を動かす「共感作り」の専門家、佐藤秀治です。

誰だって、暴力のない平和な世の中がいいと思いま
すよね。

暴力は、いつだって理不尽なものです。

怖いです。

でも、大抵の男は「強さ」に惹かれます。

だから、格闘技は人気があります。
プロレスもボクシングも柔道もレスリングも相撲も
「強さ」という憧れを見て楽しんでいます。

私自身、プロレスファンで、格闘技ファンでした。

で、そんな男子に(一部女子にも)人気の絶えない
ジャンルがあります。

それが、ヤンキー漫画。
荒くれナイト 1巻
私の世代だと、
『湘南爆走族』がちょっと上の世代で
『BE-BOP-HIGHSCHOOL』
『特攻の拓』あたりが好きでした。

遡って、
『男一匹ガキ大将』を始めとする本宮ひろ志先生の
作品を夢中で読みました。

最近だと
『クローズ』や『WORST』を源流とする作品群が
主流ですよね。

ヤンキー漫画の面白さは、大まかに言って下記の
2つ。
 1.ケンカ
 2.友情

ケンカは「強さ」であり「暴力」です。

そして、友情は「共感」。

ヤンキー漫画の主人公たちは、身内をとても大切
にします。
暴走族のメンバーを、家族と呼んで大切にします。
そこには、互いの深い共感があります。

ここで大きな疑問があります❗️

普通、「共感」と言ってイメージするのは何で
しょう?

「相手を思いやる心」とかを連想しませんか?

「共感」があれば、相手に優しくできるし、お
互いを尊重して、平和に楽しく過ごせると。

でも、ヤンキー漫画ではケンカばかりです。
すごい暴力の嵐です。

一般学生は被害者です。
一般の大人も被害者です。
仲間以外は、すべて暴力の対象です。

そう仲間以外は、暴力の対象なんです。

怖いですね。

理不尽ですね。

でもヤンキーだって「共感力」は高いんです。
「共感力」が高くても、「暴力性」は低くな
らないんです。

実は、少年院在院者と普通の大学生を比較研究
した人たちがいます。※1

その研究で示されたのは、

事件を起こした不良少年たちは、「不幸な他人に大して同情や憐みの感情を経験する傾向」は高いが、「日常生活で自発的に他人の心理的立場をとろうとする傾向」は低い。

ということでした。

とても単純に言い切ってしまうと、

自分と同じような相手には感情移入するけど
それ以外の人は、基本的に興味ない‼️

ってことです。

ここで大切なことは

「日常生活で自発的に他人の心理的立場をとろうとする傾向」が高いか低いか

ってことなんです。

これは「視点取得」(Personal Distress)と
言われています。

私が掲げる「共感共聴」は、この「視点取得」、
つまり

他人の心理的立場を推し量る姿勢

を、何よりも大切にしています。

この能力がなければ、人間の暴力性を抑える
ことには、つながらないんです。

違う考え方を持つ者同士、
違う人生を歩んできた者同士、
違う境遇を経験した者同士、
違う技能を磨いてきた者同士、
違う文化に育ってきた者同士、

互いに敬意と興味を持って
喜びと感謝を持って
交流することで、
新しい何かが育っていきます。

「共感共聴」という造語は、そういう想いか
ら作った言葉です。

共に感じ、共に聴く。
互いの心と言葉に、
一緒になって目と耳を傾ける。

それが「共感共聴」に込めた願いです。

※1 出典『共感性と他者意識に関する研究』(中央研究所紀要 平成17年 第15号:財団法人矯正協会中央研究所 発行)